ルーベンス 初期の作品から

ルーベンスの「聖母子の肖像画を崇める聖グレゴリウスと諸聖人」（1607）という長いタイトルはグルノーブル美術館所蔵です。

ローマのサンタ・マリア・イン・ヴァリチェッラ聖堂の主祭壇画として制作されたとあった。聖グレゴリウスと向き合っているのは聖女ドミティッラ。

ところが他の画家でもあるように、実際に納めると反射で画面が見えないということに。

追記：サンタクローチェ・イン・ジェルサレンメ教会に納められて、現在この作品にかわるルーベンスの祭壇画はこちらから→「ルーベンス　Peter Paul Rubens」

それでアント・ヴェルペンに持ち帰って、ルーベンスの母親の墓に飾ったそう。母の墓に飾るとは、とってもルーベンス自身が愛着のある作品だってことだよね。

これはサバウダ美術館(Galleria Sabauda)所蔵のルーベンス。「ディアネイラを略奪する怒り」というタイトル。

ディアネイラといえば川岸でネッソスに略奪される場面が多いでしょう？これはそのあとの場面で、夫ヘラクレスの浮気に、ネッソスにもらった愛を取り戻す秘薬を、ヘラクレスの服に使うことを考えている場面ではないかと考えたんだけど。

これはマグダラのマリア。ルーベンスの「嘆き」（キリスト哀悼）の場面の部分です。珍しくかわいい顔立ちだよね。ルーベンス体型の女性らしからぬ顔。これは1602年の作品だからルーベンスの初期の作品。涙も描かれてるのです。

ルーベンス、1602年の「キリスト哀悼」はボルゲーゼ美術館所蔵。ルーベンスの宗教画の中で、顔がラファエロっぽい感じがする。

ＸＡＩ　ルーベンス　リヒテンシュタイン美術館　からも見ることができるし、作品画像のずっと下のほうに、ほかのルーベンス記事にリンクされています。そこにアルテ・ピナコテーク、アントワープ王立美術館、アントワープ・ノートルダム大聖堂、ＴＢされているウィーン美術史美術館なんかの記事にも、たぶん「キリスト哀悼」はあると思うから見比べてみてください。